でかいの日記帳

2014/3/30 Sunday

FROZEN (邦題: アナと雪の女王)

Filed under: - dekaino @ 10:13 このエントリをはてなブックマークに追加 FROZEN (蕁: ≪絅括)のはてなBookmark被リンク数

ディズニーのFROZEN(邦題: アナと雪の女王)を観ました。
アンデルセンの雪の女王を原案に大胆に翻案した作品で、もはや原型はとどめていません。
原作の主人公の少女の名はゲルダ、少年のはカイですが、本作ではゲルダはアナに改名、カイに当たる少年は出てきません。

主人公のアナの相手役のイケメンは2人。南の島の王国からきたハンス王子と、地元アレンデール王国の山奥で氷を切り出して売ってるクリストフです。おそらく、二人の名前は原作者のハンス=クリスチャン=アンデルセンのファーストネームとミドルネームからきています。

ハンス王子

上の画像がハンス王子。いかにもディズニーらしいイケメンですね。

以下ネタバレです。

後半クライマックスに至る直前まで、アナとハンスはいい雰囲気で、ハンスはアナから託されたアレンデールの国政を真面目にこなしながら、アナの帰りを心配しながら待つ好青年だったのですが、実はハンスは政治的野心でアナの恋心を利用していただけの悪者だったというオチ。本作での唯一の悪者として、監禁されて南の島の本国に強制送還されてしまうのでした。

たしかにアナに対して真実の愛を持っていなかったハンスはディズニー的文脈では悪役なのでしょう。しかし、それがそんなに悪いのか? ハンス王子は十分に誠実です。

そもそも、王子と王女の結婚なんて政略という文脈なしには語れるはずもなく、そこに真実の愛を期待する方が不誠実です。
ハンス王子は託されたアレンデール王国を立派に差配してきたし国民からの信頼されていました。もちろん将来の自分の王国になるのだからいい加減なことはできないという考えでやっているのかも知れませんが、国民にとってみればちゃんと仕事をする王は良い王です。

ハンスがアナを見捨てた時の直前、アナは姉エルザが自分を傷つけるはずがないと思っていたがやはり違ったとハンスに語りました。この時ハンスは思ったのです。「この女ヤバイ 王族の器じゃない 間違いなく国を滅ぼす亡国の王女だ」と。
王家の人間が必ずやると言った発言は簡単に取り消しにできないこと。そしてそのような発言を根拠もなく自分の思い込みだけでやってしまうこと。そして王族の結婚に真実の愛があると信じ込んでいること。どれひとつとってみても王女の器ではありません。現実的な視点で悪者なのは実はエルサ女王とアナ王女の姉妹の方に違いありません。こんなのに治められる国民の方がたまったもんじゃないですよ。
ハンスを強制送還した数か月後には、ああやっぱりハンス王子がよかったと国民の不満爆発。革命がおこり、アレンデールが共和政に移行するのが目に浮かぶようです。

もう一点ディズニー視点からもハンス王子が悪者ではない証拠があります。
クリストフはトナカイと非常に仲がいい。動物と仲がいいのは善人というのは白雪姫の昔からのディズニー伝統のお約束です。これと同様にハンス王子も愛馬と非常に仲がよく、心が通い合っています。これだけでもハンスは悪者ではないと断言できるでしょう。

間違いなく製作されるであろう続編にハンス王子が再登場することを期待しています。
「まだだ、まだ終わらんよ」

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