でかいの日記帳

2012/7/28 Saturday

アメイジング・スパイダーマン

Filed under: - dekaino @ 11:00 このエントリをはてなブックマークに追加 ≪<ゃ吾潟違祉鴻ゃ若海里呂討Bookmark被リンク数

アメイジング・スパイダーマンを観ました。役者監督総とっかえでリブートした新シリーズ。舞台もシカゴからニューヨークに変わりました。
それより大きい変更点がヒロイン。イけてないヒロインランキングではスターウォーズのレイア姫に匹敵するかと思われた前シリーズのMJに対して、今度のグウェン=ステイシーを演じるエマ・ストーンは本当にいい女です。24歳(!)で高校生役やっても全然平気だし。

本作はリブート第一作なので、スパイダーマン誕生の秘密とか周りの人間関係の説明とか一からやり直しです。基本の設定は原作通りはずれていません。ただちょっとピーターの天才度とオタク度はかなり高め。あれだけ才能あったらピーター独りでレオパルドンだって作れてしまいそう。
現役高校生ヒーローってのが青臭くて素敵。彼女も同じ高校に通ってるあたり、ハイスクールな感じワクワクドキドキ。スクールカーストとかイジメみたいな表現と、小者っぽいイジメっ子がまたなんともくいい感じを出してます。次作も下手に卒業させずに高校生のままやってほしいものです。食い扶持稼ぎでパパラッチしてるピーターなんか誰も見たくないよね。スパイダーマンの能力をいかしてスクープ写真を隠し撮りってもうヒーローじゃない!

本作はかなり好成績をあげているので次作製作は確実だと思われますが、今度の敵はどんな奴か楽しみです。それともアベンジャーズとかに参入するのかなぁ?
とにかくヒロインがいいので必見。それ以外は普通にスパイダーマン。全校生徒すべてと友達になる男! ではないけれど、高校生ヒーローっていいよね。

メリダとおそろしの森

Filed under: - dekaino @ 10:23 このエントリをはてなブックマークに追加 <罍のはてなBookmark被リンク数

メリダとおそろしの森を観ました。ピクサー初のファンタジーもので、いかにもディズニーらしい地域民話を翻案した活劇ものです。主人公がお姫様で結婚なんかしたくないわって言ってるあたりがいかにも21世紀のディズニー風。ピクサーとディズニーの融合はうまくいっているようです。

舞台はスコットランド。王国の姫メリダがタイトルの通り主人公。母の女王が画策する演壇に反抗して魔法使いに頼みごとをしたことが発端で王国の興亡に関わる一大事になるという、ありがちと言えばありがちなストーリーです。
ちなみに原題は"BRAVE"。勇者とか勇敢とか言う意味。どこにも「おそろしの森」なんて要素はないです。話にも森が畏怖の対象とか人間の敵とかそういうのはなくて、ただまだ魔法が残っている人外境って意味合いしかない。本作の魔女って本当にビジネスライクだし、まったく悪気がないというか、ただ頼まれた仕事を忠実にやっただけ。善良な勤労女性の鏡です。クレーム時のサポートもちゃんとやってくれるしね。

人間が熊に変身するというくだりは、もしかしたらディズニー最後の手描きアニメと言われていたブラザーベア(2003年)へのオマージュなのかも。熊って獅子とならんで全世界の原始社会で神様扱いされてる動物だし。でもスコットランドでは1000年以上前に野生の熊は滅亡しているそうです。日本はまだ生き残ってる、実はすごい? ローマ人と戦ったと言われるピクト族(顔に入れ墨してるからピクト)やらスコットランド史に出てくる各部族が総出演します。
ただ歴史考証的にはこの話が何世紀ごろかは不明。ローマ人とバイキング(デーン人)とジャガイモと野生の熊が同時にいる時代っていつだ!? 細かいことは気にしないのが吉。

併映の短編は今回2本!「ニセものバズがやってきた」と「月と少年」です。前者はトイ・ストーリーの外伝、そして後者がアカデミー賞を受賞した珠玉の短編アニメです、モチーフとしてはドリームワークスアニメで作った方がよかったんだろうけど(おそらく着想もドリームワークスのロゴ)、ピクサー/ディズニーのスタッフだったエンリコ・カサローザが作りました。無声映画的なつくりでセリフはないんだけど、とてもわかりやすく、かつ面白いです。

日本語版でメリダの声を演じた大島優子。下手ではないので安心です。ディズニーは宣伝目的のタレント声優でも棒読みじゃないから安心です。

2012/7/22 Sunday

グスコーブドリの伝記

Filed under: - dekaino @ 10:55 このエントリをはてなブックマークに追加 違鴻潟若篌荐 のはてなBookmark被リンク数

杉井ギサブローのグスコーブドリの伝記を観ました。キャラクターはますむらひろしの擬人化猫です。
1985年の銀河鉄道の夜に似ていますが、こちらはますむらひろしが翻案して描いたマンガをアニメ化した作品。これに対し、本作は杉井ギサブロー監督本人が宮沢賢治作品複数を翻案して脚本を書いているので、ほぼギサブロー個人の作品と言って構いません。商業上、宮沢賢治+ますむらひろし+ギサブローという点で類似点がある銀河鉄道の夜のネームバリューを利用しているだけで、まったくつながりもありませんし、類似点もありません。
そこを誤解して鑑賞すると期待したような感動を得られないとは思います。でも本作は本作で、ギサブローの人生の締めくくりをかけた入魂の強いメッセージ性をもつ作品となっています。

まあぶっちゃけて言えば、過去のデータを根拠にいかにも当たりそうな企画案をみせて、出社を騙して作りたかった作品を作りたいように作ってしまった代物。ある意味でクローバーを騙してつくったザンボット3やらガンダムやらトミーを騙したイデオンやらより、ひどい騙しっぷりです。
グスコーブドリの伝記 ポスター
いかにも毒がなさそうな無難な宣伝ポスター。85年の銀河鉄道の夜(かなりヒットした)を知ってる人なら同系統の話を期待さぜるを得ませんよね? ところがどっこい…

本作は、押井作品のように監督が心の中に抱えている現社会への愚痴を詰め込んだ作品です。そういう意味でギサブローらしい職人が作った娯楽アニメではなく、宮沢賢治の想いとギサブローの思想が共振して発せられた作家性が非常に高いメッセージアニメと言えます。
監督には、若者を育てる気がなく若い才能をただ搾取しているだけの業界の実情への怒りがあって、商業主義を批判しているのではないでしょうか? 確信的にスポンサーを騙してスポンサーを批判する作品を作ってます。

まずストーリーはかなり改変されています。しかも宮沢賢治の別の作品などが混ぜ込まれているらしい。主人公のブドリは非常に好感が持てる好青年、なぜかどこに行ってもすぐに他人に必要とされる運だけはあるのに、決して大きな成功はなく、いつも人の陰にいるようなイメージ。

ブドリは才能を認められて火山研究所に職を得ますが、あくまでも手伝いだけをしており、決して本流の研究者としては扱われていない。便利なアシスタントとして利用されているだけなんですね。そして意を決して意見具申しても、一番物わかりのよさそうな博士にも「そりゃあダメ」と軽く否定されてしまう程度の扱いでしかない。

最後に原作通りみんなが知っているような自己犠牲を伴う献身をするのに、まったく盛り上げず、それどころかヒーローとしても扱わず、結果として救われた人は多数いるが、それでもブドリはつまらない選択をしてつまらない人生を終えたと言わんばかりの、厭世的な思想が見え隠れしています。

宮沢賢治の原作では、誰もわかってくれなくてもいい、自分だけわかっていればよい。そしてやるべきことをやれば、後世わかってくれる人がいるかもしれないという、ある意味法華経的信念に貫かれていますが、本作のブドリは決して報われないし、後世になって認められることはないようです。ただ犠牲になっただけの甲斐はあり、救われた人々は救われたことも知らず淡々と前よりは幸福になって生きていくだけ。

また、今の規範では下の下とされそうなヤマっ気の強い元豪農を生き生きと描写し、抗えぬ力で没落するが、それはそれでいいんだ的な心意気を感じます。山師が好きなんでしょうね。それで身を滅ぼしたとしても、資本の力でリスクなく搾取するよりは全然マシ。

まったく子供には理解できなさそうなアニメで、興行的にも大失敗といっていい状況のようです。しかし、本作こそ後になってから評価が上がる類の作品だと思います。娯楽作品の皮をかぶった文学作品なのです。

2012/7/7 Saturday

夜のとばりの物語

Filed under: - dekaino @ 23:39 このエントリをはてなブックマークに追加 紊違茯のはてなBookmark被リンク数

夜のとばりの物語を観ました。
夜のとばりの物語

キリクと魔女で有名なフランス人のミッシェル=オスロ監督の最新作です。

ほとんどのシーンが藤城清治ばりのカラフルな影絵アニメとして表現されています。
恋愛にまつわる6つの短編をまとめたオムニバスで、それぞれの話の主役とヒロインは同じ人が演じているという設定。タイムボカンやヤッターマンのように、主題の世界に入る前段階の現実世界シーン(いんちき商売とか)があり、事前に世界設定の説明をしてから、本編が始まります。
6つの話は色とりどりのバラエティあふれる舞台設定。お得意のアフリカあり、中世欧州、カリブの島(ハイチかな)、南米の黄金郷など、フランスとは直接縁がない場所もあります。

タイトルの「夜のとばりの物語」は場末の幻燈館で上演される恋のドラマという意味で、各短編が夜の話というわけではありません。というかほとんど太陽がさんさんと輝く昼のお話です。最初の狼男だけ月のお話ですが…

魔法の色濃いファンタジー世界での男女の恋の物語。

スノーホワイト

Filed under: - dekaino @ 22:59 このエントリをはてなブックマークに追加 鴻若ゃのはてなBookmark被リンク数

スノーホワイトを観ました。
グリム民話の白雪姫の大胆なアレンジという割には、日本のアニメにはありがちの戦うヒロイン像であまり大胆には思えません。狩人と王子、2人のハンサムが出てきて、最後に至るまでどっちにくっつくかあいまいなところは、最初のスターウォーズのルークとハンソロみたいな感じ。まぁどっちがどうなろうとどうでもいいのですが。

悪役の継母はまあ頑張っていますが、結局邪悪というよりはただ弱いから負けたみたいな扱いなのがアメリカ風といえばアメリカ風です。
妖精の聖地にでてくる大鹿がまんまもののけ姫のシシ神さまだったのは笑えた。もうある種の記号と化してますね。シシ神様。

魔法の鏡もなんかもうちょっと裏があるかと思ったけれど、単なる魔法の道具だったしね。
がんがん宣伝してる割には意外と小粒な出来でした。

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