でかいの日記帳

2011/7/10 Sunday

鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星

Filed under: - dekaino @ 15:59 このエントリをはてなブックマークに追加 若茵絽 筝()のはてなBookmark被リンク数

鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星を観ました。外伝ストーリーなので主役はエルリック兄弟というよりはゲストキャラのアシュレイとジュリアの兄妹の方でしょう。
ストーリーはよくできています。シナリオや設定もよく文芸面ではハリウッド作品と言ってもいいくらいの高品質な出来。
その反面、演出して映像化する部分が劇場版とは思えないほど不出来なのが残念。確かにアクションシーンはばんばん動きまくって派手で手間がかかっていますが、演出ってそれだけじゃないでしょうと。ストーリーボード、シナリオにある深さの映像化に失敗しています。
たとえば、主な舞台となるミロスの民が住む谷底の集落。二つの大国に挟まれた不遇の民族が谷底に追いやられて貧民街をつくっており、上からは廃棄物などが捨てられるばかりか、崖にとりついて登ろうとすると問答無用で撃たれるという、ハガレン世界観にあったシビアな設定。このシビアさが全然映像化できてないです。冒頭でエドがハエの大群に襲われるとかセリフで「臭いとか」言うだけで、不衛生さとか貧しさがまったく映像に出ていない。
服装が小奇麗だし贅沢じゃないけど自然志向のむしろ結構いい生活してるようにしか見えない。
どことなくジブリっぽい演出が入っているのが鼻につきますが、ジブリ作品なら宮崎監督はマンガ的にツギアテの入ったボロ服着せて貧しさを表現するだろうし、高畑監督ならもっと写実的にエゲつなく貧しさを表現しますよ。あれだけハエだらけって設定なんだから生活空間にハエ取り紙をぶら下げておくとか、食事シーンでハエ除けの網のカバーを出すとか、簡単な演出でいいのに。セリフで説明するにしても火葬シーンで「土葬にしたらハエが大発生するからやむなく火葬にするしかない」って言わせるとか、もうちょっと効果的な演出があるでしょうに。製作スタッフは不潔な環境や貧困生活を実体験したことがない人ばかりなんだろうか?

どうも文芸にばかり力を注いで、作画演出の準備時間がまったく足りてない印象が強いが、とはいえ、アクションだけ楽しみたいならまぁ悪くはないクオリティではあります。

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